passagem

naomi & goro

passagem
naomi & goro

2009.10.21
commmons
ASIN: B002JM5NLS

1. [Days of May]
  作詞、作曲: 伊藤ゴロー / 英訳: 佐鳥葉子
2. [Southern Cross 7]
  作曲: 布施尚美
3. [Gabriela]
  作詞、作曲: 伊藤ゴロー / 英訳: 青芝和行
4. [Silent Clouds]
  作詞、作曲: 伊藤ゴロー / 英訳: 青芝和行
5. [Soup Song]
  作詞:tarcov, 布施尚美 / 作曲:伊藤ゴロー
6. [Rua Caminhoá] (Instrumental)
  作曲: 伊藤ゴロー
7. [No Return]
  作詞、作曲: 伊藤ゴロー / 英訳: 正山千夏
8. [Ran Into A Bookstore]
  作詞: 布施尚美 / 作曲: 伊藤ゴロー
9. [3 de Marco](Instrumental)
  作曲: 伊藤ゴロー
10. [I See Me Passing By]
  作詞、作曲: カルロス・リラ、ケイト・リラ
11. [Good Night Song]
  作詞: 伊藤葉子/作曲:伊藤ゴロー/英訳: スティーヴ・サックス

Vocal: 布施尚美
Guitar: 伊藤ゴロー

Musicians
Piano: Itamar Assiere
Bass: Jorge Helder
Drums & Percussions: Rafael Barata
Flute, Flauta & Soprano Sax: Eduardo Neves
Flugelhorn: Vander Nascimento

Strings:
Cello: Hugo Pilger
Violin: Bernardo Bessler
Violin: Gustavo Menezes
Viola: Christine Springuel

Cello: Jaques Morelenbaum (tr.11)
Piano: 坂本龍一 (tr.1)

Recorded by Duda Mello
Design: 菊地敦己 (Bluemark)

Produced by 伊藤ゴロー

ジャキス・モレレンバウム(チェロ)
É um prazer estar colaborando com Naomi e Goro nesse projeto aqui no
Brasil, tocar… Gostei muito da música composta por eles, “Good Night Song”, é uma música muito delicada.
E acho muito bonito essa aproximação das culturas, terras tão distantes, podendo ser irmanadas , podendo estar juntos através da música.
「このブラジルでナオミ&ゴローのプロジェクトに参加し、弾くことができて嬉しく思ってます。”Good Night Song “は、とても気に入りました。とても繊細な曲ですね。
遠く離れた国のそれぞれの文化が寄りそい、音楽を通じて兄弟のようにいっしょになれることは、とても素敵なことだと思います。」

Mario Adnet(ミュージシャン)
“ Goro and Naomi present us this new fresh album with unreleased material. I consider Goro Ito a talented and original composer. His musical choices have a particular flavor and I like specially the way he absorbs and processes the Brazilian sounds that permeate his work. This is what one can really call universal. Congratulations !”
ナオミ・アンド・ゴローからフレッシュなアルバムが届けられた。ゴローは才能とオリジナリティーを持った優れた作曲家だと思う。彼の生み出す音楽には独得のフレーバーがある。なにより素晴らしいのは、彼なりの方法で吸収し調理されたブラジルのサウンドが作品中に満ち溢れていることだ。これは普遍的な才能と言えるだろう。コングラチュレーションズ!
+ 「Bossa Nova Songbook 2
Naomi and Goro did a very good work on this new album despite it’s very difficult to record an entire album on Bossa Nova being original on the repertoire’s choice. They found a balance between the well know tunes and the not so common ones like The Dolphin (Luiz Eca), Pica Pau (Ary Barroso) and Seu Encanto (Marcos Valle). Naomi’s soft vocals and Goro’s precise guitar and very sensitive arrangements – faithful to the original melodies and changes – create a very warm atmosphere that take us to a very comfortable flight.
ナオミ・アンド・ゴローが素晴らしいニューアルバムを完成させた。ボサノバナンバーだけでアルバムを作るのは選曲の面でかなり難しい作業だったと思う。しかし彼らは有名な曲とそれほど知られていない曲(たとえばThe Dolphin (Luiz Eca), Pica Pau (Ary Barroso) ,Seu Encanto (Marcos Valle).など)を絶妙のバランスで選択している。ナオミの柔らかな歌声、そしてゴローの的確なギターワークと繊細なアレンジメント(原曲のメロディーやコードチェンジに対する作曲家への誠意が伺える)が暖かな空気を生み出し、我々を快適な空の旅へと誘ってくれているかのようだ。

Duda Mello(レコーディングエンジニア)
I’m very glad to have met and worked with such 2 great artists as
“naomi and goro”. Goro’s original songs are masterpieces of beauty and inspiration and his guitar playing is great. And Naomi’s soft voice enchanted me since the first time I heard she singing in the studio.
Add to these some wonderful musicians and we have 2 amazing albums.
It’s really a pleasure to be involved in these projects.
“ナオミ・アンド・ゴロー”というアーティストと出会い、共に作業する機会に恵まれたことに感謝しています。ゴローのオリジナル曲は、美しく刺激に満ちた名曲ばかりで、またギタリストとしても大変優れています。ナオミのやさしい歌声は、最初にスタジオで耳にして以来ずっと僕を魅了し続けました。そんな素敵なミュージシャンが2枚の素晴らしいアルバムを作り上げました。このプロジェクトへの参加は本当に楽しい経験でした。

Rafael Barata (drums)
Naomi: What is her voice? So sweet…So soft! When I was born, my father Roberto Mendes, left Brazil to play in Japan. A place called Saci Perere. There was Lisa Ono with 17 years old starting her steps in the music world….Now I can still playing with you and fell the real music vibe. You guys (naomi & goro) are feeling our music better than us now…..And Naomi has a voice and the feeling to proof it!!!
Thanks,
なんて甘く、柔らかな声なんだろう。
私が生まれた頃、父であるロベルト・メンデスは日本で演奏活動をするためブラジルを後にした。父はサッシペレレという店で演奏していたのだが、そこには当時17歳の小野リサさんがいて歌手としてのキャリアをスタートしようとしていた。
今回、息子である私も日本人であるあなたたちと演奏し、本物の音楽のバイブを感じることが出来た。
君たちnaomi & goroはブラジル人である我々よりも深くブラジル音楽を理解していた。ナオミ、君の声がそれを証明しているんだ。

Goro: Great Composer and acoustic guitar player! His compositions are so nice! It was a really pleasure record with him in Rio. His Brazilian vibe in the compositions make me proud and happy about the relationship between Brazil and japan!! We are brothers! The music is unique! Thanks for compose!!
優れた作曲家にして、アコースティック・ギターの名手ゴロー。
彼の書く曲はどれもすばらしい。リオで行った彼とのレコーディング作業はとても楽しい経験だった。彼の曲はブラジリアン・バイブに満ち溢れていて、ブラジルと日本との深い関係を実感した。
私は誇らしく、幸福な気持ちにさせられた。我々は音楽を通じた兄弟なんだ。
素敵な作品をありがとう!

通訳の肥田哲也さんによる
〈ナオミ&ゴローのリオデジャネイロ・レコーディング秘話(番外編)〉

★「イキマショウ!」と「ア・ボア」
ゴローさんとスタジオ・エンジニアDuda Melloの間でもっとも頻繁に交わされた言葉。
「イキマショウ!」はポルトガル語でVamos、しかし音的には「E que macho=なんて男らしい!」に聞こえる(らしい)。 「ア・ボア」はアナザー・テイク、いいとこをもう一回という意味です。

★巨匠ジャキス・モレレンバウム
ゴローさんはしきりに巨匠の名前を繰り返し、「名前のイントネーションが、もぉれれんばぁーうむって音楽的だねぇ」と感心しきり。巨匠は数々の名テイクをよどみなく取り終え、「お疲れさま〜」と日本語であいさつして去っていきました。

★エドゥアルド・ネヴィス
超売れっ子のフルート/サックス奏者のエドゥアルドは、1日スタジオにやってきて怒濤の10曲録りをこなしました。ゴローさんの曲がとても気にいった様子で、「ほんとうに曲がいいと、もう何曲でも気持ちよく演奏できるよ」とコメント。
また7拍子の難曲も、「7拍子、好きなんだよね」と素晴らしいソロを連発でした。

★ギター
ゴローさん、本当はマリオ・アジネー所有のタカミネを借りてレコーディングに使いたかった(らしい)。後日、マリオが自分の新作のミックスをしているスタジオ・メガに遊びに行って、ゴローさんがマリオにその話をすると、「バーデン(パウエル)が最後に使っていたギターとタカミネの両方でレコーディングしたんだけど、やっぱりタカミネの方がよくてねぇ」……。というわけで、次回に持ち越しになりました。

★Sandman  曲:Silent Clouds
砂男。眠りの魔法をかけるひと(らしい)。歌詞のなかで不思議な存在感をもって響いてくる言葉。この曲のミックス中にはみな睡魔に襲われました。

★タイトル
オリジナルアルバムのタイトル「Passagem」は英語のパッセージ、通りすぎること。
また、音楽用語としては経過的な音符群のこと。もともとは、Passagem – 30 de Março – Vento(パッセージ/3月30日/風)という写真のメモ風なタイトルをゴローさんは考えていましたが、長すぎるのでPassagemのみになったそうです。
ミックス・スタジオはトム・ジョビンが愛したジャルジン・ボタニコ(植物園)に面しており、たまに小猿の群れが現れるような緑溢れる環境でした。そこで生まれた作品は、リオの風が軽やかに吹き抜けるような心地よさを感じさせてくれます。

★スタジオ・メガ〜ロボ・マオ
リオでは大物アーティストがよく使うスタジオ・メガでベイシックを録ったあと、ジャルジン・ボタニコ横のスタジオ・ロボ・マオに移りました。
ギタリストのダード・ヴィラ=ロボスと音響エンジニアのドゥーダ・メロが共同運営する出来たてほやほやのスタジオで、なんとナオミ&ゴローのレコーディングがこけら落としでした。ダード・ヴィラ=ロボスは伝説のロック・バンド〈レジアゥン・ウルバーナ〉で活躍したギタリストで、ブラジルが誇るクラシックの大家エイトール・ヴィラ=ロボスの孫にあたり、現在は映画音楽のプロデュースに携わっています。ミックスをしている時に、マリーザ・モンチがスタジオに現れてTVグローボのインタビューを収録するという一コマもありました。