GLASHAUS
グラスハウス
本格的に作品作りを始めたのは去年の夏も終わろうという頃、「ギターのインストアルバムを作ろう」と作曲を始めたら、どうしたものかあっという間に1曲出来てしまった。3年に一度くらいはこうゆうこともあるんですね。
自分のためにとか、日記をつける様にとかではなかなか曲は書けないけど、コンセプトが決まってるとさっと書けたりする。
(コンセプトといってもまだ具体的なものじゃなくて、海外でレコーディングする?ギターインスト?空想みたいなものだった。)
タイトルも『GLASHAUS 』というのがなんとなく浮かんだ。
GLASHAUS(グラスハウス)は温室のことです。
アルバムの構想には冷たい冬のイメージがあって、それには『GLASHAUS』というドイツ語の文字がぴったりだと思った。
以前、二子玉川にIDEEのお店があり、クリスマスにMOOSE HILLライブで演奏することがありました。その建物の内装がまるで温室の様な作りで、三角の天井には大きな天井扇がゆったり回っていて、植物と、木工と鉄素材の組み合わされたインテリア、うまく説明出来ませんが、アンティークのバスクラリネットの風合いとでもいいましょうか、僕はすごく気に入ってしまいました。ここに住みたいとも思いました。
それ以来温室好きになったのです。
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平出さんの「透明」という言葉に驚いた。
透明ということを求めていくと、いま、音楽ではこうなるのか、と感じさせる。透明を求めるとことは、あえて多くの光の層を重ねていくような戦いなのだが、戦いであることさえ分かられなくなっていくおそれがある、それは、厳しく難しい行為だ。
《GLASHAUS》は、音楽でそれをやっているのか、と感じさせる。 平出隆
僕のアルバムの為に頂いたコメント。
うれしい反面、「見透かされた」と感じた。僕は「透明」に曖昧で、渇きおびえたイメージを、まるで表現しきれない臆病な自分を見るようだと思った。
「戦い」と言われ、はっとした、散らばっていた思考は、さらに粉々になって飛び散っていった。
そして平出作品を読む、
『雷滴 その拾遺』via wwalnuts叢書
糸も糊も使わず綴じられた、詩や散文。
平出隆本人によって構成された切手が貼られて投函され消印が押され読者に届くメールアート。
白いわずかに透けた紙は強い存在を放つ、美しい文体、ページをめくると、改行、と余白、の残響、平出隆の仕掛けた罠にハマっていく心地よさ。
余白はどこまでも静かな海のようにエレガントで、月に照らされた文字、おだやかで皮肉のない白は、ページをめくるたびに向こう側をのぞかせてくれる。
音楽でいうと、残響、余韻といったものなのでしょうか。